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バム商ブログ
2018/10/31 20:56
*本記事はSKI BUM SHOW Vol. 3「スキーバム活動報告会 2017/18」(6月開催)をもとにブログ用に書き起こしたものです。
前回のスライドショー #俺たちJスキーヤーズでは、J skisを通じてスキーを純粋に楽しむきっかけをつくりたいとお話ししました。バム商セッションもそのひとつでした。このスライドショーでは、春になって新たに発見したJ skisマンキニセッションについてお話しします。
マンキニとは、メンズビキニつまり男性専用のビキニです。J skisとどう関係があるのかと言いますと、J skisでどうどうと売っているんです。これが通称マンキニです。
商品名のボラット・スキーイング・サスペンダーは映画「ボラット」に由来します。ボラットは2006年のアメリカのコメディー映画です。お下劣なネタが満載ですが、政治・社会を風刺するキレが素晴らしい作品です。マンキニはネタの小道具として出て来ます。
次の映像はJ skisの公式動画です。ぜひアスペンのマンキニスキーヤーのキレのある滑りをお楽しみください。
J skisがマンキニをフィーチャーするのは単純な話題作りではなく、映画ボラットのような風刺の態度に他なりません。マンキニスキーには、一体どんな批評性と身体性があるのか?その疑問にお答えしたいと思います。
これは、第1回 J skisマンキニセッションからのショットです。人生で初めて雪上でマンキニに着替えた直後でした。初めてマンキニで滑る期待感や恐怖、羞恥心、いろんな気持ちが絡み合ってました。ちなみに、場所は八方池の南側斜面。尾根上の登山道からは死角になった絶好のマンキニスポットであります。
次はJ skisマンキニセッション初参加者のマンキニ初滑りの映像です。長い横滑りとそのあとの1ターン目にぜひ注目してみてください。
横滑りの緊張感。それが1ターン目に入った時にはすでに消えています。最後の方では歓声があがるほど、解放された滑りでした。自然や社会の中では誰しも、多かれ少なかれ抑圧されて生きています。マンキニセッションは重たい鎧を脱ぐだけではありません。偽りの殻を破ります。新たに得た身体性で、滑ること、さらには生きることが楽になります。
「マンキニ〜♪」 #俺たちスノーマンキーズが誕生した瞬間です。
マンキニセッションは、滑りの型やスタイルは形にすぎないと気づかせてくれます。マンキニで滑れば、どんな形かっこうでも楽しいからです。本当に価値あるものに姿形はありません。
マンキニセッションは肌を露わにする奇抜さをアピールするものではありません。それは目くらましにすぎません。本当の破壊力は、伝統的なスキーの欺瞞を露わにする批評性にあります。裸の王様はゲレンデの中にいます。
第5回 J skisマンキニセッションでは、新しい知見が得られました。マンキンセッションはアートだということです。
アートとは、それまでの概念や価値を破壊することで、以前とは異なる風景を見て、二度と再び同じ場所には戻れない性質をもつ作品や体験です。山の中で滑って、心と体をリフレッシュしたり、リセットして再び社会の中に戻るだけなら、それはリクリエーションです。世界観は変わりません。あるいは、たんに快楽を充足するためなら、それはレジャーです。
アートは娯楽ではありません。最初は雪山の娯楽として企画したマンキンセッションでしたが、最初の1本目から違う世界が見えました。もっとも、このスライドを見るみなさんには、違う世界に住む住人のように、異質に見えるかもしれません。もう一度言いますが、それは目くらましです。アートの体験は目に見えるものではありません。目に見えない世界をここでお話しするのは、それこそ場違いです。アートは語るものではなく、体験するものです。ぜひ来年の春、第9回 J skisマンキンセッションにご参加ください!
ちなみに、このマンキニアート論は、第5回 J skisマンキニセッションに参加された筑波大学の先生から聞いたお祭りに着想を得ました。その祭りとは、TREWの拠点アメリカ・ポートランドで行われる自転車のパレードWorld Naked Bike Rideです。
ネイキッドバイクライドとは、素っ裸で自転車に乗ることです。サイクリストの裸祭りです。これがなぜアートになるのか。今日は時間がありませんので、別の機会にマンキニアート論 第2章の中でお話ししたと思います。
最後は、マンキニ全開で完全にひいてしまった女性に向けて、このスライドショーを締めくくりたいと思います。
こちらはTREWリストのケリン・ウィルソンさんです。
もちろん彼女はマンキニストではありません。マンキニはメンズ専用ビキニです。ちなみにバム商では、女性の方にマンキニを販売することは、スキーバム倫理規定に違反するため、行なっておりません。アマゾンで買ってください。
話がそれました。ケリンさんはマンキニストではありませんが、ネイキッドビーコニストです。裸ビーコン愛好者です。
ここで女性のスキーバムにお伝えしたいことは、マンキニセッションだけがアート体験ではないということです。いろんな方法があると思います。裸ビーコンはその一例にすぎません。アイディアは無限にあります。
バム商のミッションは、スキーバムをつなぐかけ橋になることです。スキーバムは単なる人ではありません。そこには独自の文化や世界観があります。バム商というスノーブリッジによって、まだ知らぬ文化まだ見ぬ世界にふれ、その人にとってのマンキニセッションが見つかればと思っています。
これでバム商のスキーバム活動報告会を終わります。
全国のスキーバムのみなさま、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
追記
スキーバムダイアリー2019 0629 ワールド・ネイキッド・バイク・ライド参加!
スキーバムダイアリー2019 第9回J skisマンキニセッション<鳥海山>を終えて