バム商ブログ
2026/10/14 21:47
ビンディングの保持性能が、ケガを防ぐ。
CASTが考えるスキービンディングの安全性と、長く滑り続けるために大切なこと
スキービンディングの安全性について話すとき、多くのスキーヤーが注目するのは「解放性能」です。
「転倒したとき、ビンディングが適切に外れて、膝のケガを防いでくれるだろうか?」
もちろん、適切な解放値(DIN値)の設定は非常に重要です。
しかし、ビンディングの安全性には、もうひとつ見落とされがちな重要な要素があります。
それが、「リテンション(Retention=保持性能)」 です。
リテンションとは、滑走中に加わるさまざまな衝撃や力に対して、ブーツをビンディングに確実に保持する性能のこと。
CAST Touringの共同創業者であるLars Chickering-Ayers(ラース・チッカリング=エアーズ)は、山岳スポーツを専門とする理学療法士で、ポッドキャスト「Legaski」のホストを務めるDr. Greg Louie(グレッグ・ルーイ)と対談しました。
テーマは、スキーによるケガのメカニズム、長く滑り続けるための身体づくり、そしてビンディングの保持性能が関節の保護に果たす役割について。
今回は、その対談から得られた重要なポイントを紹介します。
なぜ、ビンディングの保持性能がスキーの安全性を左右するのか?
その仕組みを詳しく見ていきましょう。

ビンディングの保持性能(リテンション)は、滑走中に加わるさまざまな衝撃や力に対して、ブーツを確実に保持する役割を果たします。
1. 不意の解放「プレリリース」がもたらす危険
ビンディングに求められるのは、転倒時に適切に解放することだけではありません。
滑走中、外れてはいけない場面で確実にブーツを保持することも、同じくらい重要です。
通常の滑走中や強い負荷がかかった際に、意図せずビンディングが外れてしまう現象を「プレリリース(誤解放)」と呼びます。
高速滑走中、荒れた雪面、あるいは急斜面のクーロワールなどでプレリリースが起きると、スキーヤーは瞬時にバランスとコントロールを失います。
その結果、高速での転倒や不自然な方向からの衝撃によって、次のような重大なケガにつながる可能性があります。
- 前十字靭帯(ACL)や内側側副靭帯(MCL)の損傷
- 脳震盪
- 脊椎への外傷
- その他の重度な関節損傷
理学療法士のGreg Louieは、重大な膝のケガを防ぐためには、ジムでのトレーニングだけでなく、雪上で関節に加わる予測不能な負荷を減らすことが重要だと指摘しています。
ビンディングが予測どおりに機能することで、スキーヤーは身体のバランスを保ちやすくなり、関節への不意の負荷を減らすことにつながります。

