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バム商ブログ
2026/09/08 12:47

滑走性能
滑りを重視したスキーセットアップを考えるとき、多くのスキーヤーが時間をかけて選ぶのは、スキー板とブーツではないでしょうか。
もちろん、適切なスキーとブーツを選ぶことはとても重要です。
しかしAlpenFlowは、ビンディングもまた、滑走性能を左右する同じくらい重要な存在だと考えています。
滑走性能を左右するビンディングの役割
高い滑走性能を実現するために、ビンディングには大きく3つの要素が求められます。
① コントロールされた予測可能なリリース性能
必要なときに、意図した通り確実に解放すること。
不意に外れる「プレリリース」を抑えながら、必要な場面では適切にリリースすることが重要です。
② リリースする前に衝撃を受け止める「エラスティシティ」
滑走中、スキーにはさまざまな方向から衝撃や力が加わります。
ビンディングに十分なエラスティシティ(弾性・可動量)があれば、すぐに解放してしまうのではなく、まずその動きによってエネルギーを吸収し、それでも一定の範囲を超えた場合にリリースします。
ハードな滑りの中でもスキーをしっかり保持しながら、必要なときには適切に解放するための重要な性能です。
③ ブーツからスキーへ、ロスなく力を伝えるパワー伝達
スキーヤーがブーツへ加えた力を、ビンディングを介してスキーへスムーズに伝えること。
ブーツとスキーの間でダイレクトなパワー伝達ができれば、エッジをより正確にコントロールでき、狙ったラインを思い通りに滑りやすくなります。
つまり、優れた滑走性能を持つビンディングとは、
「確実なリリース」「エラスティシティ」「ダイレクトなパワー伝達」
この3つを高いレベルでバランスさせたもの。
スキーとブーツだけではなく、その2つをつなぐビンディングこそが、滑りの性能と信頼性を支える重要なパーツなのです。

LockTurn トゥピース
ALPENFLOW 89の大きな特徴のひとつが、独自の「LockTurn(ロックターン)」トゥピースです。
滑走モードでは、トゥピースそのものが自由に回転する構造になっています。
滑走中は、トゥピースが完全に回転するか、トゥレバーを押し下げるまで、ピンアームが開かないよう機械的にブロック。
これにより、通常の滑走中に不用意にブーツが外れることを防ぎ、転倒などリリースが必要な状況で解放する仕組みになっています。
つまり、単純に強い力でブーツを保持するのではなく、トゥピースの回転と機械的なロック機構を利用して、プレリリース(不意の解放)を防ぐのがLockTurnの特徴です。
一方、ツーリングモードではトゥピースの回転を固定。
登行中は安定した状態でブーツを保持し、信頼性の高い安定したツーリング性能を実現します。
滑走時は回転して、必要なときだけリリース。
登行時は回転を固定して、安定して保持する。
この独自のLockTurn機構が、ALPENFLOW 89の滑走性能とツーリング性能を支えています。

アルペン・ヒールピース
ALPENFLOW 89のヒールには、滑走性能を重視したアルペンタイプのヒールピースを採用しています。
横方向(ラテラル)と縦方向(バーティカル)の両方向において、ブーツのリリースを正確にコントロール。
大型スプリングと前圧調整機構を備え、さらに、
横方向:40mm
縦方向:9mm
という大きなエラスティシティ(弾性・可動量)を確保しています。
この十分なエラスティシティによって、滑走中に大きな衝撃や力が加わっても、すぐにリリースするのではなく、まずビンディングの可動域でそのエネルギーを吸収します。
そして、このヒールピースが目指したのは、単なる保持力の高さだけではありません。
高いパワー伝達と衝撃吸収性能を両立すること。
ブーツからの力をスキーへしっかりと伝えながら、スキー本来のフレックスを妨げず、板を自然にたわませることができます。
その結果、ハードな滑走でもスキーを正確にコントロールし、エッジ性能を最大限に引き出します。
大きなエラスティシティ。確実なリリース。そして、ダイレクトなパワー伝達。
ALPENFLOW 89が「ツーリングもできるビンディング」ではなく、本気で滑るためのハイブリッド・ビンディングであることを象徴するヒールピースです。

フル・リリース・システム
ALPENFLOW 89では、トゥピースとヒールピースが連動することで、正確でコントロールされたリリース性能を実現しています。
このシステムのポイントは、ヒールとトゥがそれぞれ独立してリリースするのではなく、互いに連動してブーツを解放することです。
ヒールがリリースをコントロール
滑走中、LockTurnトゥピースはロックされた状態を維持し、完全に回転するまではピンアームが開かない構造になっています。
そして、トゥピースを回転させるために必要な力(トルク)をコントロールしているのがヒールピースです。
転倒などによってブーツに加わる力がヒールのスプリングテンションを超えると、ヒールピースが横方向または縦方向への動きを許容します。
その動きによってトゥピースのロックが解除され、最終的にブーツがビンディングからリリースされます。
横方向と前方向、それぞれに対応
横方向へ大きな力が加わった場合は、ブーツとトゥピースが回転し、トゥピースが所定の回転量に達することでピンアームが開き、ブーツを解放します。
一方、前方へ大きく倒れ込むような力が加わった場合は、ブーツが前方向へ傾くことでトゥレバーを作動させ、トゥピースを解放します。
つまりALPENFLOW 89は、
ヒールが力を受ける → ブーツ/トゥが動く → LockTurnのロックが解除される → ブーツがリリースされる
という一連の動作によって、リリースをコントロールしています。
単純に「ピンでブーツを保持する」のではなく、ヒールのスプリングとLockTurnトゥピースを連動させ、必要なときに確実に解放する。
これがALPENFLOW 89独自のフル・リリース・システムです。

