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バム商ブログ
2026/09/06 13:19

ISO規格とTÜV認証
DINとISOは、さまざまな業界・製品に対して規格を定めている標準化機関です。
スキー業界では、ビンディングの解放値を一般的に「DIN」と呼ぶことが多いですが、ここでALPENFLOWが取り上げているリリース性能に関する規格は、主に**ISO(国際標準化機構)**によって定められています。
アルペンおよびツーリングビンディングに関連する代表的な規格が、ISO 13992とISO 9462です。
これらの規格では、転倒時などにビンディングが適切にリリースし、スキーヤーの下肢への傷害リスクを軽減することを目的として、リリース性能の試験方法などが定められています。
その基準となるのが、一般的に「DIN設定」と呼ばれる**「Z値(Z Value)」**です。
Z値は、ブーツソール長と、ビンディングがリリースするまでに許容される最大トルクとの関係を示します。
さらにISO 11088では、スキーヤーの身長、体重、技術レベルなどをもとに、スキーショップが適切なZ値とそれに対応するリリース設定を決定するための基準が定められています。

リリースの仕組み
ISO 13992およびISO 9462では、主に以下の方向に対するリリース性能が定義されています。
* ±Mz:左右方向(ラテラル)のリリース
* +My:前方への転倒時などに働く縦方向のリリース
また、一般的に「DIN設定」と呼ばれるZ値についても定義されています。
Z値は、特定のブーツソール長に対して、ブーツからビンディングへ加わるトルクがどの程度に達したときにリリースするか、その関係を示す基準です。
さらに、ビンディングが安定してリリースすることを確認するための試験方法も規定されています。
ISO 11088では、スキーヤーの体重、身長、性別、技術レベルなどから、そのスキーヤーに適したZ値(DIN設定)を決定するための基準が定められています。
これらの規格は、脛骨や腓骨の骨折が多く発生していたことを背景に整備され、広く普及したことで、こうした下肢の傷害を大きく減少させることにつながりました。
一方で、ALPENFLOWは「規格や認証だけですべての傷害を防げるわけではない」という考えを示しています。
TÜV認証を取得したビンディングであっても、実際のスキー中の傷害を完全に防ぐことはできません。
また、認証試験だけでは、ビンディングが衝撃エネルギーをどのように吸収するか、実際の雪上でどのように機能するかまでは評価されません。
そのため、実際のビンディングの信頼性や滑走性能には、エラスティシティ(弾性ストローク)やエネルギー吸収性能なども重要な要素になるとALPENFLOWは考えています。

ALPENFLOW 89のアプローチ
まず重要な点として、ALPENFLOW 89はTÜV認証を取得していません。
また、メーカーは、リリース性能について特定のISO規格に適合していることを保証していません。
そのうえで、ALPENFLOW 89はISO規格を参考にしながらリリース機構を設計しています。
リリース方向は、
±Mz(左右方向)
+My(前方への縦方向)
の両方に対応する設計となっており、そのリリース設定についても、ISO規格で定められているZ値にできるだけ近づけることを目指しています。
リリースに必要となる最大トルクは、アルペンビンディングスタイルのヒールピースに搭載された大型スプリングによってコントロールされます。
このスプリングの設定を調整することで、ブーツがリリースするまでに必要なトルクを変更でき、±Mzと+Myの両方向について、スキーヤーに合わせた設定が可能です。
さらに、ALPENFLOW 89のトゥピースには、不要なプレリリースを防ぐ独自の機構が採用されています。
通常時はトゥを機械的に保持し、ヒールピース側でブーツの回転が許容され、トゥピースが完全に回転するまではトゥを保持。
トゥピースが所定の位置まで回転すると、トゥアームが解放可能な状態になり、ブーツがリリースする仕組みです。
つまりALPENFLOW 89は、ISO規格を参考にした調整可能なリリース機構と、プレリリースを抑える独自のトゥ機構を組み合わせることで、滑走性能と信頼性の両立を目指しています。



