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バム商ブログ

2022/10/04 20:35

20221004 出稼ぎバム商 八方リーゼンクワットリフト支索交換工事 DAY 2




今日は、旧線を解いて新線を編み込み、山麓から山頂駅舎前の28号支柱まで延線 💪

出稼ぎバム商はパートタイムジョブなので、これ以上の話は書きません。
索道の現場や #俺たちHJサクドーガイズ に興味がある方は、直接バム商にお聞きください🙇

それでは、バム商の本来の仕事は、一体なんだ?
ものを売ることは、表向きの仕事でしかない。
それなら、裏で何をしているの?

別にこそこそなどしていない。
ぜんぶスキーバムダイアリーに書いてある。
もちろんスキーは仕事ではない。

ぼくのフルタイムの仕事は、スキーを通じて得たこと、感じたこと、考えたことを言葉すること。
たいしてお金にならないけど、ぼくがやりたいことだから気にしない。

ものが売れないと、気を病む。
だから、もともと売れないものを仕事にしている。
他人から仕事に見えなかったら、大成功!

リーゼンクワット支索交換工事を記念して、スキーバムダイアリー2021年12月前半を以下掲載しました。

シーズンインまで2ヵ月。
この冬はなにを感じて、どう考えるんだろう。

秋の支索から冬の思索へ。
その足取りはスキーバムダイアリー2021で。


2021年12月1日 DAY 04

坂の上に八方のゴンドラ駅舎が見えはじめたころ。
「ヒュッテかもしか」のまーくんが車から教えてくれた。
「強風でスキー場閉まってるよ」。あら残念。

40分かけて歩いてきたけど、不思議と悪い気はしなかった。
親切に声をかけてくれる人がいるのは、うれしい。
霧雨の雫が頬を伝って流れて落ちるのは、きもちいい。

同じUターン組のアメリカ人と他愛もない話で来た道をもどる。
「横須賀のベースからきた」。軍人さんね。
「ジムニーで高速飛ばして」。身長180cm以上あるよね。
「ベンチェトラーいいよ」。アートブックとレコードあるよ。
「なんで?」。スキーバムショップやってるんです。
「明日はパウダーだね」。また明日!

朝、店舗を出るとき少し風が強かった。
心配でも、スキー場のウェブサイトは見ない。
クローズを知ってたら、今日のスキーは始まらなかった。
滑ることだけがスキーだとしたら、白馬に住まなくていい。

「スキーバムショップってなに?」。eat ski sleepなスキー生活用品店です🤘




2021年12月2日 DAY 05
今日は無事にゴンドラ動きました。

CASTユーザーのオギさんは不安顔。搬器が強風で揺れたり、停まったり。
眼下の白馬の街はすっかり冬化粧。景色はいつだって裏切りません。

ゴンドラ山頂駅に着いたら、たくさんの人。
猛烈な風に駅舎から出れません。コースも全て閉鎖です。手のひら返す裏切り八方。

TREWユーザーの平野さんは余裕顔。いつもの八方だね。
白馬まで3時間半の道のりで膨らんだパウダーランの期待が一瞬で吹き飛んだのに。

スキーはあきらめて、おとなしく下山ゴンドラの列へ。
#俺たちJスキーヤーズ のたんぼさんは思案顔。初滑りパウダーはおあずけ。
北陸からようこそ。はじめましてバム商です。


今日も滑れませんでした。
そんな不満顔のバム商に声をかけてくれたみなさん、ありがとう。
足どり軽やかに帰れましたよ。




2021年12月3日 DAY 06
今日は朝から青空が広がりました。

最後の一本を滑る前に「ヒュッテかもしか」のまーくんに会えました。
宿の目の前のゴンドラから毎日スキー場に上がって、毎日 滑雪blog を更新するまめなまーくんです。

午前中は宿のお仕事があるから、滑るのは午後限定。
新雪斜面が荒れているのは毎度のことです。

まーくんが圧雪バーンにテレマークでスライドするたび白煙が舞い上がります。
ノートラックの新雪バーンを滑っているみたいです。
目の前が真っ白になると怖いですが、今回は違います。


ゴンドラ下山後は、みそら野のSATORU COFFEEへ寄り道。
ジャンプ台の麓から林を抜ける近道は車では通れません。
速度は遅くても、結果は早いことがあります。

目の前のドリッパーから滴り落ちるコーヒーもそうかもしれません。
SATORUさんの右手はゆっくり弧を描いていました。




2021年12月4日 DAY 07
雪マークの土曜日になりました。

朝のゴンドラ乗り場には長い行列。
久しぶりに見るたくさんの顔がありました。
兵庫の家族、京都の若者、東京の親子。

全国各地から八方尾根に集まった面々。世代や目的、格好、国籍はばらばらです。
それが一つの大きな流れとなり、一点へ向かって進みます。
ゴールはゴンドラの客車ではありません。兎平でも黒菱でもありません。
ぼくも分かっていません。

季節は真冬へ向かっています。
ぼくらも歩調を合わせて進みます。

季節は巡りまわり、ぼくらは輪廻します。
向かう先が死であっても、この列の中にいる限り、怖くありません。

半年後も一年後も同じ時間に同じ顔が見られるかもしれません。
奇跡のように思いませんか?






2021年12月5日 DAY 08
降雪後の日曜です。

7時に店舗を出て、スキー担いで途中のコーヒーショップに寄って。
たのしい日曜の朝のはじまりです。

8時にゴンドラ乗り場につくとすでに大勢のひと。
喧騒を離れ、ひとりみそら野へ。

SATORU COFFEEでひと息いれました。
枯れ葉にまだらの雪。モノトーンの静寂。

ぼくはシーズンパスの所有者です。
ひとシーズン滑る権利を持っています。

あいにく今日は長蛇の列。
ゴンドラに乗るまで1時間以上の時間を取られます。

これでは、あべこべです。
シーズンパスを所有しているつもりが、その実、シーズンパスに所有されるぼく。

10時にゴンドラ乗り場に戻ると、いぜんと長い行列。
最後尾に加わるのはやめ、滑る権利を捨てました。

ぼくは白馬の居住者です。
ぜいたくな時間の中にいたい。

明日7時に店舗を出て、スキー担いで途中のコーヒーショップに寄ったらいい。




2021年12月6日 DAY 09
小雨の月曜です。

ゴンドラを降りると雪に変わってました。みなさん安心してくださいね。

プレオープンから1週間。滑れるコースは一部の上部エリアのみ。
みなさんの意気込みとは裏腹に、山の方はまだ準備が整ってません。

ぼくの方も整ってません。
体はぎこちなく、板さばきはぎくしゃく。
心はあせって、ターンは空回り。
それでも、ゆっくり前進しています。

プレオープンからずっとスキー場まで歩いて滑りに行ってます。
最初は遠くに望んだ白い山稜が、少しづつ近づいてきます。
ひえた体はあたたまり、はやる気持ちは落ちつきます。
一日をはじめる準備としては、これ以上は望めません。


2021年12月8日 DAY 10
雨音うらめしい朝になりました。

スキー場まで一歩進むたび雨粒が全身から滴り落ちます。
左手のコーヒーカップのリッドの小さな飲み口にも流れ込みます。

店舗前の通学路を行く小さな雨靴の列。
けっしてまっすぐになりません。
水たまりの輪に駆けよっては、ぴちゃぴちゃ、じゃぶじゃぶ。

真新しいレインコートと長靴で初めて登校した朝。
記憶は霞んでも、興奮は覚えているかもしれません。

スキー場に着く頃にはすっかり濡れました。
とっても爽快です。


2021年12月9日 DAY 11
青い空に白い山が輝く朝になりました。
明るい陽に照らされ、すべてがあざやかに見えます。

滑り終えて店舗に戻るとき、山を背にして歩きます。
行きと帰りでは、まったく異なる風景の中にいます。

車窓の風景とも異なります。

車の速度では、すべては流れていきます。
目の前のものが、一瞬で通り過ぎます。
物だけでなく人も。親しい人でも。
すべてが風景となり、流れます。
ぼくに背を向けて。

この冬、風景が一変しました。
映画のスクリーンの中から人が飛び出てきました。
背を向けたものにも語りかけられる親密さで。



2021年12月10日 DAY 12
エッジの不協和音ひびく金曜日。

富山のノザワさんに声をかけていただきました。
足下を見ると中学生の息子さんの板です。
「短くて怖い」と言いながらも、うれしそうです。
「来年は自分の板を取られるかも」って、やっぱりうれしそう。
今日もいい1日になりそうです。




2021年12月11日 DAY 13
ブーツバッグのストラップが壊れました。
背負ってスキー場まで歩き始めてまだ13日目。
修理してもまた壊れるので使い捨てます。

米国 ポートランドのネクストアドベンチャーの地下で見つけた古いスキーバッグ。
革製のストラップが切れてたので、白馬の革工房リッケティルさんに新品に交換修理してもらいました。

このスキーバッグは使い続けたいものです。
ファットスキーは入りませんが、年季が入ってます。
最新のスキーバッグにはない価値です。

スキー場まで歩き始めて気がついたことに、時間の見方があります。
これまで車で5分の道のりが50分かかります。
時間に最大限の価値を見る人にとっては、非効率な時間の使い方です。貴重な時間の浪費でしょう。

時間が絶対的なものなら、正しい見方だと思います。
誰にとっても時間は本当に1日24時間、1分60秒なのでしょうか。

ぼくに見つけられるまで、青いスキーバッグは時の中で埋もれていました。
新しい革のストラップが付けられて、スキーバッグの時計の針は再び動き始めました。




2021年12月12日 DAY 14
スキー場の帰り、白馬駅まで歩いて来たら、ラッキーピーツにOPENのサインボードが掲げてある。
9月終わりからずっと閉まっていたから、ほっとした。

オーナーのティムは飲食業の経験はゼロなのに、このカフェ&バーを買い取った。
ほとんど思いつきのように白馬に移住した。

場所柄、観光客が相手の商売だから、コロナ禍以降は店を開けることもままならない。
日本語はろくにしゃべれないから、白馬村民はほとんど寄り付かない。

まるでぼくの鏡像だ。

2年前にFWTのディレイライブ中継をここで開催した。
総勢20名近くのFWTアスリートが来てくれたのに、白馬村民は誰もいなかった。
アリちゃんとはいっぱいしゃべれたけど、このときほどアウトサイダーを自認したことはない。

この土日は売上げがゼロだった。
丁寧に接客しても結果は出なかった。

悔しさや怒りは手ばなす。
昨冬はため込んで病気になった。

今日はアンラッキーだったんだよな、ティム。





2021年12月13日 DAY 15
強風でスキー場は終日クローズになりました。
ゴンドラ乗り場でしばらく待ってから、歩いて帰りました。
要領のいい人から見たら、無駄に時間と体力を使ったことでしょう。

朝起きてスキー場に通うことは、ぼくにとって、生活の一部です。
外に出て多少風が強くても、足は自然と一歩を踏み出します。

それは習慣です。
朝起きてコーヒーを淹れることと同じです。
豆を挽いたり、ドリップする時間は無駄ですか?

あるいは儀式です。
身と心を清らかに保つための。
SNSでいち早く情報を得て、心が晴れやかになりますか? 体のうずきが治りますか?

ゴンドラが止まっても、滑れなくても、大したことではありません。
明日も太陽が昇るかぎりは。
歩くスピードは物事を達観するにちょうどいいみたいです。

時間を無駄に使って最後まで読んでくれて、ありがとう😊



スキーバム商会
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TEL: カスタマーサービス 080-2136-5643(稲葉)
E-mail:nao@skibum.jp

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