朝7時半過ぎ、リモースキ郊外のUtopie MFGの工場前に立つ。

J skisが好きになったときから、聖地になった。

J skisと4frntのスキーをつくりたいと思ったときから、目的地になった。

バム商を閉鎖したときから、新天地になった。

やっと、ここにたどり着いた。

不安で押しつぶれそうな心をはねのけるように勢いよく玄関扉を開けた。

2.2mmのエッジをベースに取り付ける作業に没頭した。バム商閉鎖後の不安も恐れも忘れた。

手元のTHE METAL “WOLFWALK” 184cmが日本のスキーバムの足元に届くかもしれないと思うだけで幸せだった。

ここにたどり着くまで長かった。その後は、あっという間だった。不安は期待へと変わった。

宿への帰路、眼前に突然海が広がった。あっと声が上がる。バム商の展望もひらき始めた。